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2012年9月6日

企業とNPOのパートナーシップミーティングVol.2に参加してきた


昨日は横浜市にある県民センターで催された「企業とNPOのパートナーシップミーティングVol.2」に参加してきました。神奈川県が主催して企業とNPOが交流することにより、新しい公共の担い手を形成していくプログラムの一環で、一般社団法人ソーシャルコーディネートかながわが中心となって交流を促します。

Vol.1は7月まで実施され、横浜・横須賀・小田原・相模原の4か所で実施。そのうち私は3か所に参加させていただきました。今回は、Vol.1の内容を発展させ、実際のパートナーシップ事例を紹介したり、パートナーを募集している企業・NPOによるプレゼンテーションからはじまり、会場を12のテーブルに分けてのワークによってパートナーシップ事業のブレインストーミングを実施するような内容でした。


今回の目標は、企業サイド・NPOサイドがVol.1を終了してパートナーシップに関して実際にどれくらい具体的なイメージを持つようになったかの意識調査がメインです。それと、コーディネーター役の皆さまや、会場の段取りを拝見し、私が関わっているNPO法人で来年度実施予定の茅ヶ崎市における同趣旨のイベントの参考にするつもりでした。

さて今回の感想ですが、率直に言えば「当事者に具体的なイメージはまだまだ沸いていない」というところです。企業サイドは「やれることは何でもやります」というスタンスで、NPOは「提供してほしい・チャンスをほしい」とは言いつつ相手企業の具体的なイメージをなかなか持てないでいる。つまり、強みを活かし、弱みを補うためにパートナーシップを組むのですが、その相手のイメージをほとんど描けていないのが実情なのかなぁという感じです。

異文化の事業者が同一の事業を実施することを目指す以上(目的はその先ですが)、ある意味でイメージを持ちづらいのは仕方がないことなのですが、そのままですと営業活動はほぼ不可能ですし、説得力が生まれません。

そういう意味では(株)山崎製パンさんは、パートナーシップ事業をパッケージ化してNPOに提供する仕組みを考案されており、相手のメリット・自社のメリットをきちんと理解しているので最も現実的な提案をなさっていると思います。また、登壇された(株)ソウルマッケンジーさんも、自社の強み・社長自身の強みとそれの活かし方がはっきりとイメージできており、商店街の活性化を狙う自治体や同様の目的の事業者とはマッチングしやすいように思います。

このブログでも何度か書いていますが、私が考えるパートナーシップを検討する企業・NPOがまず整理すべきポイントは、


【企業】

  • なぜNPOと組もうと考えるのかを明確にすること(社会貢献云々では弱い)
  • NPOと組むことで売り上げを伸ばす、という発想を持つこと(持出するのが社会貢献ではない)
  • 同時に、どんなNPOとであれば双方、そして社会にメリットが生ずるかを明確にすること(NPOを知ることが出発点)


【NPO】

  • どんな企業と組もうとするのか明確にすること
  • 自身が所属する団体のミッションをきちんと明確にすること(同様の企業やNPOとどこが違うのか、自分たちの特色をハッキリさせること)
  • 企業にどのようなメリットがあり、社会にどのようなメリットがあるのかを具体的にすること(理念ではなく、現物に落とし込むこと)


というのが私の考えです。

これらができていない背景には、成功事例が十分に知られていないことが第一にあります。そして、成功事例として理解されていないケースがたくさんあることも現実です。
少なくとも本プログラムにおいては企業とNPOが関わればそれでパートナーシップと評価されているようですが、相手方にサービスを提供して相手方からお金をもらうというのは、パートナーシップというよりも八百屋で大根を売る店と客の関係と変わらないように思います(地元だから安くするよ、というのはパートナーシップと通常は評価しません)。

企業とNPOが交わることは、両者にとってメリットがあるはずですが、そのメリットがきちんと発揮されるためには推進する側(私もそうですが)が情報発信や事例研究を進めていく必要があります。自然発生的に事業が発生することを期待するのは、やっぱり難しいなぁと感じましたね。


同時に、NPO法人の強化という意味で、「認定」や「仮認定」の積極的な活用をとにかく促す必要を感じています。制度を上手く使えば、大きな力を得ることが可能となりますし、信用が生まれてきます。是非とも具体的かつ効果的なアプローチの一助になれるようなサービスを作らねば、と改めて感じました。



企業とNPOのパートナーシップ支援事業 - 神奈川県ホームページ
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