Loading...
2012年9月26日

中古品ビジネスと古物営業許可|NPOも許可は必要です



日本にはたくさんの「中古品」を取り扱う事業者が存在します。環境問題に対しても「リユース(再利用)」は推奨されているため、中古品市場が活性化していることは、とても健康的なことではないでしょうか。

ところで、中古品ビジネスについては警察から「古物営業許可」を得ないと、違法営業になってしまうことは意外に知られていません。



アイフォーン下取りに「待った」…警視庁が指導 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
21日に発売された新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)5」を巡り、ソフトバンクモバイル(東京)が全国の販売店で行っている旧型アイフォーンの下取りサービスが、古物営業法違反(無許可営業)に当 ...





なぜ、中古品ビジネスに許可が必要なのかと言いますと、盗品が流通してしまう可能性があるからです。

ドロボウが他人からモノを盗むのは、それ自体に価値があるからよりも、交換価値に着目するからです。つまり、盗んだものを売ってお金にすることができるからです。もし、中古品を無制限に流通させるとすると、盗まれたモノが簡単に換金されてしまい、ドロボウの行為を助長することにもつながりますし、盗まれた人としてはモノが転々流通してしまうと取り返す術もなくなってしまいます。だから、中古品を取り扱う事業者には「許可」を得ない限りビジネスを許されないとして、許可業者には中古品の買取時等に本人確認や誰から何を買ったのか、ということを記録する義務があるのです。


引用したソフトバンクモバイルの件は、iPhone4S以前のiPhoneを下取り(つまり換金)する行為ですので、まさに「許可」を得ておこなう必要のある営業に該当します。


このように中古品の取扱いには規制が敷かれているわけですが、実はこのような規制は営利事業に限ったことではありません。

たとえばNPOの中には、中古品を買い取って「販売」したり「寄付」したりする事業をおこなっている団体も少なくありません。それらは大きな利益追求を目指しておこなっているのではなく、社会のために事業として中古品を取り扱っているのですが、たとえそれが社会のために行われているとしても、中古品売買をおこなう以上は「許可」を得ないと違法営業に当たります。

他方で、中古品を寄付してもらって「販売」したり「寄付」する事業をおこなう団体も多く存在します。彼らは買取行為をしないため、この規制には該当しません。


古物営業法 第2条(定義)2  この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。 一  古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの


下線部をご覧いただくと分かるように、「古物を売却することのみを行うもの」は、営業許可を取る必要はありません。売却に加えて買取までおこなって初めて「古物営業」という規制の対象になるわけです。

ちなみに「買取り」だけをおこなっていても規制されますので、ソフトバンクの事例はこの部分に引っかかるわけです。

Yahoo!オークションなど、現在ネット上で中古品の売買が多く行われていますが、違法営業に該当していないか、事業に携わっている人は注意してくださいね。

 
TOP