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2013年5月22日

「社会貢献による付加価値」(2) NPOとの正しい連携がキー

NPOとの連携は「社会貢献による付加価値」を実現しやすいやり方です。

これまでこのブログでもCSRやCSVについて取り上げてきましたが、企業活動にとって社会貢献というのは現在は「本業促進のため」に行われることが受け入れられる土壌が整ってきました。以前は「結局カネのためでしょ?」というように批判的に捉えられがちでしたが、最近は「本業の促進につながることがイノベーティヴなことだ」と肯定的に捉えられてます。

ただ、これはやり方を間違えると「嫌らしい企業」と捉えかねられないものであることに違いはありませんので、丁寧に取り組むことが必要です。





そこでお勧めするのがNPOとの連携なのです。
今、日本にはコンビニの数ほどにNPOは存在していますが、その中には必ず自社と相性の良い団体がいくつか存在します。双方の強みを持ち寄ることで互いの目的達成に向けて相乗効果を生み出すのです。もちろん、そんな簡単なことではありませんので、そのノウハウを持っている人や中間支援団体などを活用することが大切です。NPOとの間を取り持つ通訳者のような役割を期待できます。


近畿労金の「心のそしな」プロジェクトをご存じでしょうか?新規口座開設のお客様に提供していた「そしな」の代わりに、その分のお金をNPOを介してフィリピンの貧しい子どもたちに給食を届ける、というプロジェクトです。この活動は、「そしな」分を寄付する、というシンプルな構成でありながら、NPOの専門性とマッチングして労金の新規口座開設者の大きな拡大に貢献しました。

お金だけで定量的に図ろうとすると見い出し難いポイントが多くあるわけですが、要は既存の事業内容を社会貢献という視点から見直すことで売り上げアップになる可能性があるのです。







また、先日ご紹介させていただいた有限会社スズキ企画さんの取り組みも、自社のオフィスの一部を無料開放して市民活動に提供することで来店客を増やして信頼関係をつくり、売り上げの拡大につなげているという分かりやすいモデルです。下請けで仕事をもらうのではなく、直接消費者から元請けとして仕事をもらうモデルに転換させるための方策だと社長はお話しされていました。




Blogging Worker's Style: 「地域で商売するなら地域に還元すること」はなかなかできることではないけどやってる人がいる








なかなか一つの視点だけだと見つけられない「強み」を、社会貢献というフィルターを通して見直せ、ば案外多くの価値が自社に眠っていたりするものです。そのとっかかりとしてNPOとの連携がお勧めです。


それにこの分野で実績を残すことで、行政が抱えている「民でできる・より効果的にできる」事業にも取り組む道が開けます。というのも、原則として行政事業は採算性が合わないために税金投入して行政が担ってきているわけですが、NPOとの連携によって、その点が克服できる可能性があるあらです。
是非皆さんもそのやり方を考えてみてください。

さらにもう一つ、この分野に取り組むことでメディアへの露出を増やすことも期待できます。つまり、結果として自社のPRにもかなりつながるのです。



このように、いいことばかりを強調してきましたが、異文化の事業者(NPOも事業です)と関わることになれば、面倒くさいこともたくさん出てきます。その緩衝材として通訳者としての専門家や中間支援団体を活用するのです。社会貢献なら何でも良い、NPOなら何でも良い、なんてことはありません。


なお、こんな情報も。


国交省の経営戦略アドバイザー/ステップアップ支援公募 | 建設通信新聞






同じような事業募集がたくさんありますので、ご参考までに。








ガイドブック的にこのような取り組みを知ることができる本。
企業とNPOのパートナーシップにもっとも勢力的に、そしてもっとも専門的に取り組んでいるのが著者岸田さんのNPOになります。

岸田さんには今年の初めにお会いしまして、企業目線でNPOとのパートナーシップを生み出していることが良く分かりました。来年2月に企画しているイベントでもご登壇いただく予定です。
茅ヶ崎にお越しいただける方は楽しみにしていてください。このブログでも告知します。



 
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