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2013年5月26日

【レポート】企業×NPO×行政の交流サロンⅠを開催しました

2013年5月24日(金)、茅ヶ崎商工会議所で『企業×NPO×行政の交流サロンⅠ』を開催しました。私の所属するNPOサポートちがさきと茅ヶ崎市との共同事業の一環です。市内企業、市内NPO、行政職員が膝を交えて協働について考え、交流を深めるイベントです。

今回はそのイベントについて簡単なレポートを。( ー Blogging Worker's Style )

 


テーマ:交流と啓発

 

このイベントは「チーム茅ヶ崎へ。ここから始まる!新しい連携のカタチ」というテーマが設けられています。これからの街づくりは行政だけでなく、市民参加が必要ですが、その主な担い手として企業NPO(非営利活動団体)に期待が寄せられています。

とはいえ、なかなかその活動のあり方がイメージできない、お互いに何をしているのか見えてこないなど、課題も多く、NPOサポートちがさきは平成25年度の事業の一つのとして、市内の各セクターが「交流」し、街づくりと連動する方法としての協働に関する「啓発」を目的としたプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは昨年の秋に実施された市民提案型協働推進事業の一つで、行政とコラボレーションして進めています。

今年度第一回目のイベントが、今回の「企業×NPO×行政の交流サロンⅠ」です。

 

対談「NPOの想い × 地域型企業の想い」

 

文教大学国際学部那須一貴准教授をお迎えし、NPOサポートちがさき代表の益永さんと対談形式で「協働に向けてNPOに求められるチカラ」についてお話し頂きました。

那須准教授は、大手プラントメーカーにて国内外の新規事業企画立案に従事した後、株式会社ジェムコ日本経営にてコンサルタントとして中小企業を中心に営業戦略を主に手掛けてこられ、その中で育成や研究という点に興味を持たれ2010年より文教大学国際学部で教鞭を取られています。今回は那須ゼミの学生も10名弱参加していただきました。

 

「地域型企業にとって、地域市場・ニーズを把握することは大きな競争優位につながり、その地域ニーズに最も近い存在であるNPOと協働することがビジネスにおいて強みになる」と言います。裏を返せば、NPOとしては「自社・自団体との協働・連携が企業の経済的メリットに直接・間接につながるということを提案できなければならない」ということであり、NPOとしては自分たちの「実績」や「連携効果」などを「可視化(見える化)」させていくことが不可欠であるとお話しされました。

この点は非常に共感できます。可視化はNPOだけではなく、多くの企業が抱える課題です。いま、私たちがマッチングに向けて動いていく中で企業もNPOも可視化が必要であり、行政は可視化されているけど方向性がなかなか見え辛いところがありますので、その点を補うような関わり方が必要です。

とはいえ、じゃあどうすればいいのか?というと、自分のことは自分が一番知っているようでそうではないことも多いものです。この部分は、知的資産経営報告書の導入や、ROBINSという事業者情報基盤を利用するのが非常にオススメであり、特に後者(ROBINS)は導入コストが著しく低く、固定費用も無視できるレベルなので今後広がっていくことと思います。

私はフリーランス的に行政書士業を営んでいますが、自分の役割は良い情報・活動と潜在的に必要とする人・事業者とをつなげることだと考えています。このプロジェクトでも多くのニーズとそれを補う情報・活動が見えてきていますので、今後さらに結び付ける役割を担っていきたいですね。

 

事例紹介「地域×企業×子ども 接点を広げる試み」

 

障害のあったり支援を必要としている子ども(小5から高3くらい)を対象に、週に1回程度企業で職場体験をさせていきながら、実務の中で社会性を身に付けたり、大人になるプロセスを体験させることで家庭でも学校でも補えない部分を支援する活動をされている「ぷれジョブちがさき・さむかわ」の代表高田浩暢氏にお話しをいただきました。

この活動で私が個人的におもしろいと感じたのは、「受け入れ企業の職場環境が改善する」という効果があるということです。障害などのハンディを負った子どもが職場体験するためには、安全性に配慮されていて、そのような子どもでも関われるようなフローができないと難しいものです。このような部分は大企業ならできているところですが、中小企業ではわりと配慮できない部分。そこに自分たちで手を加えていく流れができるのは素晴らしいことだと思います。

また、子どもに説明することで、コミュニケーション力が向上したり、コーチングスキルがアップするなどの効果もあるとのこと。今一度自社の環境改善として子どもを受け入れてみるのは良いのではないでしょうか。

 

事例紹介「大学×企業 新たな価値を提案」第9回神奈川産学チャレンジプログラム最優秀賞「お客さまに愛される駅ビルづくり」

 

先にご紹介した那須一貴氏のゼミ生である河住玲奈さんによるプレゼンテーションです。これは、神奈川産学チャレンジプログラムで、茅ヶ崎ラスカを運営している湘南ステーションビルさんからの募集で最優秀賞を受賞したプレゼンです。

神奈川産学チャレンジプログラムとは、社団法人神奈川経済同友会の会員企業・団体が、日常の経済課題から実践的な研究テーマを提示し、これに対して学生が能動的に研究したうえで解決策をレポートにまとめて提出するもの。那須ゼミは2年連続で最優秀賞を獲得されています(すごい!)

茅ヶ崎ラスカは現在大規模改修中なんですが、このラスカが茅ヶ崎市民に愛されるための仕組みづくりを、非常に丁寧な調査を重ねて提案しています。学生とは思えない提案力に、イベント終了後の主催者打ち上げで行政の皆さんが「あんなすごい若い人が入ってくると思うと焦るw」と言っていました(笑)

 

テーブルワークと懇親会

 

テーブルワークは顔合わせ的な位置づけのため、自己紹介をしながら今日の公園などについて語る場です。もともとこういう活動に関わる人は主張を持ってる人が多いです。そのため、私もコーディネーターとしてテーブルの一つに加わりましたが、会話に入る必要がないくらいに活発に意見交換がなされていました。

 

私が特に気になったのは、「NPOと企業の違いって何だろう?」という議論。私の中では結論がハッキリしてますが、意外にNPOの当事者の皆さんの中にも自覚されていないことは少なくないようです。

同じテーブルにはセカンドブックアーチの代表山本さんもいたんですが、彼は「自分がやりたいカタチにフィットするのがNPOだった」と語ります。そう、結局「何をしたいのか」という目的から、当該目的達成へのアプローチの手段としてNPOなり株式会社なりを選択するのです。それは、資金調達の方法だったり、活動スタイルだったり。

 

基本的なことですが、改めて皆さんも「なぜ今のカタチなのか?」を考えてみても良いかもしれませんね。

 


以上、簡単ではありますがご紹介させて頂きました。

今、「社会的インパクト」を意識した企業活動が盛んになりつつあります。ただ「いいコト」だけでなく、どんなインパクトを社会に及ぼせるのかが成功指標になってます。Microsoftもそういうアプローチをしていることは、過去にもご紹介しました。

 

 

NPOの活動は、目の前の課題に対処しようと一生懸命になりますが、この社会的インパクトという視点はあまり持っていないように感じます。情報発信などもそのような視点を持ってみてはいかがでしょうか?

 

10月と来年の2月にも大きなイベントを行う予定です。興味のある方はいつでも声をかけてくださいね!

 

 
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