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2012年9月5日

「認定」申請で意外な盲点となる条項|NPO法第45条1項7号


NPOの業界に徐々に深く入り込んできている関係で、「認定」や「認証」など広くご相談をいただくことが増えています。昨年の大きな法改正により、NPO法人に対する社会的支援を強める土壌作りが進んでおり、そこに私のような行政書士も法務面で取り組むことで、政策を少しでも円滑に実施していくこともまた自分の役割なのかなぁと感じて活動しています。

さて、下にNPO法人が認定申請をするに当たって注意すべき条項を引用しています。今回はその注意条項を一つご紹介し、認定申請を検討できるかどうかの導入ポイントをご説明します。ワンポイントだけですが、意識しているかしていないかでかなり労力が変わってきますよ!

(認定の基準)
第四十五条  所轄庁は、前条第一項の認定の申請をした特定非営利活動法人が次の各号に掲げる基準に適合すると認めるときは、同項の認定をするものとする。
一 ~六 (略)
七  法令又は法令に基づいてする行政庁の処分に違反する事実、偽りその他不正の行為により利益を得、又は得ようとした事実その他公益に反する事実がないこと
八  前条第二項の申請書を提出した日を含む事業年度の初日において、その設立の日以後一年を超える期間が経過していること。
九  実績判定期間において、第三号、第四号イ及びロ並びに第五号から第七号までに掲げる基準(当該実績判定期間中に、前条第一項の認定又は第五十八条第一項の仮認定を受けていない期間が含まれる場合には、当該期間については第五号ロに掲げる基準を除く。)に適合していること

こちらの第7号をご覧ください。ここでは「法令・・・に違反する事実・・・がないこと」とありますよね。法令違反があるということは公益的でないという考え方はその通りなのですが、この部分はかなり厳格に運用されています。

たとえば、昨日紹介した「代表権喪失を原因とする変更登記」に関しても、おそらく大量の法人が懈怠することになってしまうでしょう。設立時にはそんな登記求められていなかったのに、後から法令改正がされたせいで違法扱いされるなんて・・・って思われる人も多いかと思いますが、それでもこんな些細なことをサボってしまうだけで、認定申請ができなくなってしまうわけです。

他にもあります。

NPO法人は毎事業年度終了後に所轄庁に事業報告書等の提出義務が課せられています(NPO法第45条1項6号)が、これを何かしらの理由で失念してしまった場合、やはり「法令違反」に当たってしまうため申請できません。

ここで「申請ができない」というのは、法律の正しい解釈の結果そうなっているというわけではありませんが、この部分を争おうとすれば、それを無視して申請し拒否された場合に不服を申し立てるよりほかありません。そんなことをやっているうちに時間が過ぎていってしまうでしょう。得策ではありません。

したがって、私たちは法令違反がないかどうかをきちんと確認することが「認定」申請への大きな一歩となるのです。

以前「認定を取るということは社会的に監査を受けることに近い」と表現されていることを聞いたことがあります。NPO法人に対する寄付に関して税制上のメリットを与えるというのは、言いかえれば認定NPO法人に税金を投入することと表現できます。
手続的なミスといってもその程度は様々ですが、一生懸命やっているからとか、ちょっとしたことじゃないかと、簡単には言えない難しいところなのだと思いますね。





認定に関する書籍やセミナーはたくさん出ています。
とはいえ、認定手続に関するセミナーに高いお金を払ったり、長時間割いて勉強するよりは、行政書士に代行させてしまった方が安くつきます。

私も認定申請に関しては神奈川県や東京都以外の遠方地域からのご相談も受けられる体制作りを進めています。(私でなくても)依頼すべきかどうか迷っている方のご相談も受けますので気軽にご連絡してくださいね。


 
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