「NPOこそWebマーケティングだ!」と聞いてどのように感じられるでしょうか?
昨年、特定非営利活動促進法(NPO法)に改正がありました。改正内容をフォローしている過程で、NPOの活動実態なのかに興味が沸き、県内のNPO法人の場所をチェックしながら各団体のWebページを巡っていました。
今回は、私(@ohige_beam)の思考ダダ漏れツイートを引用しつつ、NPOの活動と寄附の関係を考えてみます。
「多くの人から信頼され、共感を得られるように、独りよがりではなく、社会に応えていくために「寄付」というのは、とても大事な物差しになると思います。「寄付」は、活動のあり方を見直す一つのきっかけとも考えられます。」kanachari.jp/53.html
— tetsuya kitagawaさん (@ohige_beam) 4月 3, 2012
この引用サイトを見たときに「あぁ、なるほど」と思った。
▼参照記事:
「寄付」というのはとても大事な物差しだと思います〜茅ヶ崎の市民活動の現場から
NPO法人と営利企業の違い
私のNPOに対するイメージは、収益性が低く、にも関わらず一方的に自分たちの意見を訴えかけていくような、言い方が悪いけど宗教的であったり胡散臭いイメージがあった。あなたも寄附しなさい!のような。
でもそのような活動をしていても寄附は集まらないし、収益活動も当然成功せず、自然淘汰される。それは組織形態云々の話しではなく、一つの事業として活動する以上は当たり前なんですよね。NPOは公共性の高い事業だから淘汰されない!なんてことはあり得ないわけです。
そんな当たり前のことさえ、これまで考えることはありませんでした。
NPOの運営には、公開会社的な要素が多分に含まれる。寄附による資金調達のきっかけは「共感」が重要で、リターンは「お金」ではなく「活動を支えているという達成感・満足感」のようなカタチで実現されるかもしれない。
— tetsuya kitagawaさん (@ohige_beam) 4月 3, 2012
ところが、「NPO法人の運営は公開会社と大きく違わないのではないか」と思い始めました。
ふつうは「起業」と言っても最初は小規模で、出資を募ることはあまりない。
この点はNPOも同じですが、活動を継続し規模を大きくしようとすれば、株式会社であればIPOで株式を市場に出したり、NPOでは全国から寄附を募る必要が生じる。そのとき投資家は株式会社への投資は経済的なリターンを求めておこなうわけですが、寄附者は経済的なリターンを期待しません。
寄附の動機 ⇒ 税額控除の意義
では何故寄附者は寄附を行うのか?
それは、NPOの活動に参加はしたいけど時間や場所など、いろいろな制約があるために現実的に難しい人たちが、経済面でのサポートをしたいと考えるからだと思う。
現在、まだごく少数にしか存在しませんが、認定NPO法人や指定NPO法人へ寄附すれば、その大部分は所得控除や税額控除を受けることができます。この意義は非常に大きい。
税金は国や地方公共団体が一律に集めて、必要な事業や公務員の給与に回したりと、トップダウンで分配する。そのときに考慮されるべきは「公平性」「効率性」です。
しかし、認定NPO法人への寄付に所得控除や税額控除が認められることは、税収を減らすことになるわけですから、それ自体に公共性が認められることになります。富の再分配の役割を個人に委ねることになるからである。言いかえれば、市民に「公平性」「効率性」の判断権が移譲されることになるわけです。
税金がワケのわからない使われ方をするよりも、自分たちが本当に必要だと思う「活動を支えているという達成感・満足感」を得ることができるということの意味は大きいでしょう。
もともと事業としては成り立ちにくい分野であるがゆえに社会ではっきりと課題が表面化していない場合、それを分かりやすいカタチで訴えかける演出も必要になる。「独りよがりでなく」という先の引用もそのように考えるべきなのかもしれない。
— tetsuya kitagawaさん (@ohige_beam) 4月 3, 2012
Webで支援者を募ろうとするならば、HPのデザインからコンテンツの内容や文章力など、「分かりやすい」「親しみやすい」という実はとても高度な技術が必要。それを補うため、GiveOneのようなプラットフォーム(giveone.net/cp/pg/TopPage.…)を活用することは有効だと思う。
— tetsuya kitagawaさん (@ohige_beam) 4月 3, 2012
もちろん、見た目だけではダメだけど。茅ヶ崎のサポセン(sapocen.net)やシーズ(npoweb.jp)のHPは印象がとても良いけど、ほとんどの団体はそういうところにコストをかけられていなかったりもする。
— tetsuya kitagawaさん (@ohige_beam) 4月 3, 2012
Webなんて・・・って考える人もまだまだ多いだろうけど、ソーシャルネットワークがそれこそ大きな力を発揮する分野はまさに、非営利活動なんだろうなぁと言うのが、今日の感想です。
— tetsuya kitagawaさん (@ohige_beam) 4月 3, 2012
そのような寄附の意味を考えていくと、寄附を動機づける行動はNPO活動の基本として超重要なのだということが分かる。意義のあることをしていれば必ず寄附が集まる、という考えも確かにありますが、それだけではこれだけ情報量の多い世の中では、芽が出るまでに活動が頓挫してしまう可能性が高い。
ソーシャルメディアの活用
ソーシャルネットワークをはじめWebの力を活用することは欠かせない。
もちろんリアルの活動が何よりも大切ですが、それを広報するツールとしてのWebに勝るものはないのだ。そもそも寄附を受けるためにターゲットにすべきは、NPOと一緒に活動する時間はないけどサポートしたいと考える人たちなのだから。「見に来てください」的なスタンスだけでは厳しいと思います。
このように、NPO法の改正を検討する中で、やっぱり法改正だけをフォローしているだけでは仕事で協力するのは難しいのが分かってくる。
コスト感覚も一般的な営利事業と異なるし、かと言って経営感覚は当然必要だし、その当たりのバランスを十分に取れたNPOへのサポート事業(認証の取得や、認定・指定の取得サポート、法務サポート)を行っていきたいですね。優秀なWebクリエイターさんとも提携していきたい。
NPOで活動されている方々とたくさんお会いして、必要な活動の調査なども行っていきたいと思います。