*
本日、文教大学湘南キャンパスで、学生向けに「ソーシャルメディアによるセルフブランディング」というテーマでお話しをさせていただきました。中小企業の立ち上げから事業サポートを生業にさせていただいている視点で、個人について考えてみよう、という試みです。大学教授から「ちょっと話してみない?」という感じで先月初旬に急遽決まりました。
1.選んでもらえるためには人脈、広告、うわさ
私たちフリーランスにとって、クライアント企業から選択されなければ食べていくことはできません。そのときに、数多いる行政書士のなかで、場合によっては数多いる士業のなかで、私自身を選んでもらえる理由がなければ勝ち目はありません。
では、どうしたら選んでもらえるでしょうか?私は、(1)人脈、(2)広告、(3)うわさの3点だと考えています。
(1)人脈は多いに越したことはない
フリーランスにとって、仕事の多くの窓口は、知り合いだったりします。いわゆる「紹介」です。
「いい人いないかな?」「おれの知っている人がいるよ」というやり取りって結構多いですよね。そのときに、あなたが選ばれれば成功です。
(2)広告は打てば一定数に必ず響く
これはブランディングとは異なりますが、要は統計論で勝負をする方法です。たとえば、会社を起こす人は年間10万人近くいますが、その人たちが会社を起こそうと思うタイミングはバラバラです。すると、今思っている人にアプローチできれば成約できる確率は高まりますが、10ヵ月後に思う人に今アプローチしても仕方がありません。
そのため、潜在ニーズに応えるためには広告というのもひとつの有効な手段なんですね。必ず、一定数のニーズはありますので、相手次第で1000回に1回くらいはヒットするものです。
(3)良さそうなうわさ、空気づくりがブランディング
私たちが何かを選ぶとき、多くの場合「なんとなく」選んでいることが多いのは、皆さんも実感があると思います。後から理由はつくれるけど、そのときは「これイイ感じ!」くらいだったりするものです。
その「イイ感じ」になれるかどうかは、ブランディングにかかってくるのです。
ただ、これは綺麗に着飾るということではありません(それも有効な場合はあります)。そうではなくて、「この人ならお願いして良いなぁ」「このお店なら行ってみたいなぁ」と思ってもらえるような「イイ感じ」でないといけません。
2.ブランディングはキーワードの掛け算
これは、聴講者に配布した資料のひとつです。要は、自分のキーワードを書き出すわけなんですが、この様々な要素の掛け合わせが「個性」になるのだということです。
たとえば、行政書士は4万人くらい存在しますので、それだけだと全然光りませんが、アジアに強い行政書士、NPOに強い行政書士、ジョギングが好きな行政書士、というような組み合わせによって、カラーが出てきますよね。更に、フリーランススタイルで活動していて、青年会議所やNPOでローカルな活動に汗を流していることが掛け合わされると、もう私だけの個性に近づいていくわけです。
これらの掛け合わせと、それぞれを磨くことが、相乗効果として輝いていくという発想です。
仕事が忙しくてほかのことは何もできない、という声もありますが、それはそれで素晴らしいことなのですが、読書が好きとかお酒が好きという要素が掛け合わされることで、キーワードに連動する人たちにアクセスすることができるようになって、結果的に仕事に結びつくということが起こるわけです。
3.目的と手段を履き違えないように
以上のようなことは、別に私がお話しをせずともおそらく誰もが知っていることです。だけど、それを実践できる人はあまりいません。発信もなかなか時間を使いますし、一つ一つを磨くなんていうのも簡単なことではありません。
これらは、ライフスタイルだと思います。いろんな自分を磨いて、掛け合わされることで、相乗効果が生まれる。まさに、生き方そのものだと思うんですね。その生き方へのこだわりが、あなたを選んでくれるブランドと進化する。そういうことなのだと思います。
だから、間違っても「お金のため」だったり「集客のため」のようなことを目的にしてしまうと、自分を磨く方向性がそこには存在しないことになりますので、結果的に磨かれずに成長しなくなってしまうのです。
今は自由な時代です。生き方を選べますし、働き方も多様です。価値観も幅広く受け入れられます。情報発信も誰もが無料で行えます。
だからこそ、こだわりを持たないと仕事も人生もすごい勢いで通り過ぎてしまいます。
今回は、セルフブランディングは手法ではなくて、生き方なんだよ、だから楽しんで取り組もうね。というお話しをさせていただきました。学生の皆さんに新しい視点ができたら幸いです。