ボランティア活動をはじめとして、市民団体による社会貢献活動に法人格を与えることで、より迅速かつ効率的に動けることを狙った特定非営利活動促進法(NPO法)が施行されて、15年が経ちました。法律制定の大きなきっかけとなったのが阪神淡路大震災。市民団体の活躍が目覚しかった一方で法的な手当てがなされていなかったことの課題が浮き彫りになりました。
今、日本には47,000以上のNPO法人が存在しています。それぞれの法人には最低10名の会員が必要ですから、重複して加入している人が一定数いることを無視しても、50万人以上は直接的ないしは間接的に市民活動に関わっていることは間違いありません。
さて、NPOはどのような活動をしているかあなたはご存知でしょうか?
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
これらは、NPO法人の活動目的です。この20個のいずれかを目的として一定の要件を備えた団体に、法人格が付与されます。社会のために何かしようとすれば、どれかに当てはまるでしょうね。
このNPO法人という制度が成立して15年が経ち、内閣府で「共助」をテーマとしたシンポジウムが開催されることになりました。
【1月14日開催!】内閣府主催_共助社会づくりシンポジウム_特設ウェブサイト
「共助」ってまた分かるようで分からない言葉ですよね。正確な定義というのがないと思うのですが、要は「民による民のための活動」すなわち「助け合い」ということです。
私たちの社会は、税金を特定の箇所に集中させ、それを社会のために効率的に配分することで公共サービスが賄われてきましたが、その公共サービスを担うためのヒト・モノ・カネといったリソースは有限です。どれだけ効率的に配分しても、どれだけ緊急で予算を組もうとしても、公共サービスを行政だけで担えない部分はとても多い。
そこで、市民による公共領域の参入が求められます。その典型的なセクターとしてNPO法人の役割が期待されているわけです。
これは超総論的な話しなのでピンと来ない方も多いかと思いますが、この公共領域を担う市民活動がどうやったらワークするのかを、専門家を集めて改めて考えようというのが、この共助社会づくりシンポジウムです。
CSR、CSV、プロボノ、寄付と言った言葉に何かを感じる人にとってはとても興味深い内容だと思います。今回参加させていただけることになりましたので、参加レポートについては追ってメールマガジンの方で書きたいと思います。