最近になってようやく理解できたのですが、ペーパーレス化が真に威力を発揮するのはコミュニケーション手段がペーパーレス化したときなのだ、ということ。
断捨離ブーム
断捨離(だんしゃり)とは、不要なモノなどの数を減らし、生活や人生に調和をもたらそうとする生活術や処世術のこと。ウィキペディアを見ると、こんな風に定義されていますが、極めてパーソナルな意味合いで使われている言葉だということが分かると思います。私自身も、断捨離を開始したのは2009年で、数百冊の書籍をPDF化したのが最初でした。データにすれば、どれだけ重い書籍も何冊でも持ち歩ける、OCRを使えば情報は検索すればよい、何よりも、物がなくなることによって得られる精神的なゆとりが一種の快感になったわけです。
巷でも大量の断捨離啓発本がバカ売れされ、断捨離コンサルタントなる仕事まで登場した始末。時代がアナログからデジタルに切り替わっていく大きな節目とも言えるかもしれません。
SNSの流行はまだ一部・・・
この断捨離が進み、企業も情報管理を電子化することが増えてきて、それはプライベートなところから仕事というパブリックな場面にも浸透し、一般の人々までもが「合理化」にこだわるようになってきました。それがやはりこの5年くらいが顕著でしょう。スマートフォンのアプリにも「仕事効率化」なんて言葉でカテゴライズされたものが、おそらく一昔前ならそんなものの人気はなかったでしょうが、今では常にランキング上位にこのジャンルが食い込みます。
企業人の会話にもLINEやSkypeといったチャットサービスが使われるようになって、今は社内SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)も大きな産業になっています。
この流れは、コミュニケーションのカタチに実は大きな変化を生み出しています。
というのも、従来は情報のやり取りは、お互い思うことを相手に投げて、それを受け取った側が考えたことを投げ返す、キャッチボール型のコミュニケーションだったわけですが、デジタル時代においては、自分で考えているプロセスも相手に伝わるような「共有」型のコミュニケーションに大きく変わろうとしています。社内SNSも活用の仕方は企業それぞれでしょうが、真に威力を発揮するのはプロセスの共有においてなのです。
まだまだこの流れは一部に過ぎませんが、断捨離というのはその現象が一部表出したことを意味するんじゃないかっていうのがふりかえったときの私の感想です。
それを望む自分から周りを変えていこう
なんでこんな話しを書いているのかというと、この流れは私自身も大変歓迎しているところである一方、自分だけ断捨離していても仕事の効率化というのは小さく、関わる相手の人たちを皆さん自分と同じ感覚にしていく必要があると、絶望的に実感したからです。考えて、まとめて、共有する、というプロセスではなく、考えていることがそのまま共有される、手元にある情報がそのまま共有されている、というレベルを実現したいと考えている以上、それは何よりも自分自身から近しい人を変えていくしかないのです(←今自分に言い聞かせてます)
会議のときに、紙資料を配るなんてもうよそうよ、紙が好きってことと会議を効率的におこなうってこととは全然違う話だよ、というかそもそも会議というカタチすらそんなしょっちゅうやってる場合じゃないよってことを、まずは自分から小さなインパクトを起こさないと、と思いを新たにがんばります。。