皆さんはラブレターを書いたことがありますか?
ラブレターは究極的に文章力が試される書面です。両想いの関係においては、ラブレターは最後のひと押しとして存在するだけですので、ラブレターを「出す」ことに意味がありますが、相手を自分に振り向かせるための書面であれば、いかに「説得力」を持たせて興味を惹かせるかが重要となります。
それでは「説得力」のある文章とはどのようなものでしょうか?
それは、「相手の興味を喚起して、その興味を満足させるような文章」と言うことができます。(-Blogging Worker's Style)
そもそも私たちが「説得力」を感じるのは、その言動に対して多少の興味があることが前提です。興味のない言動に対して、人は嫌悪感を抱くことはあってもきちんと耳を傾けることは至難のわざです。ですから、最初の出発点は「相手の興味を喚起すること」から始めなければなりません。
次に、いざ興味をもってもらっても、その興味を持った本質を満足させることができなければ、すぐに興味自体を失ってしまいます。そのため「興味を満足させ続けること」が求められます。
たとえば、Y子に一方的に好意を抱くX男が、Y子に想いを伝えるというシチュエーションを考えてみます。
Y子はX男がどんな男か知りませんし、顔もあまりタイプではないかもしれません。つまりX男はY子にとって「興味のない男」です。こんな状態で「好きなんです―!」と伝えたとしても、X男の想いは届かないでしょう。場合によっては「やだ、ちょっと怖い・・・」と思われてしまうかもしれません(泣)。
(「好き」と伝えることでY子がX男を一人の異性として意識し始める・・・というパターンは考えないでください。)
そこで、美しきY子と魅力を感じられないY男とを結ぶ触媒となる事象が必要です。それは映画かもしれませんし、マラソンかもしれません。X男としてはまずは相手の興味の対象をピックアップし、Y子の警戒心を解きつつ、X男ワールドに引き込まなければなりません。
たとえば、
X:「Y子ちゃんは、映画が好きなんだっけ?」
Y:「そうそう!ランボーとか超好きなの!!」
X:「へぇ、ランボーか!実は僕もランボーが一番好きな映画なんだ!」
Y:「そうなのぉ!?なかなか共感してもらえなくて、いつもさびしい思いをしちゃうんだけど、ちょっと嬉しいなぁ♫」
どうでしょうか?完全にY子はX男に興味を持ち始めました。少なくとも警戒心は取り払ったといえるでしょう。しかし、ここでX男が「じゃあ僕が君をランボーにしちゃうぞ~!」なんて言ったら一発でアウトです。くれぐれも気を付けてください。
このように、相手が多少の興味を持ち始めたら、ランボーに関連する疑問をY子に喚起させて、掘り下げていく必要があります。
X:「ランボーってめちゃくちゃな映画のようだけど、実は小説が映画化されたものなの知ってる?」
Y:「えー、全然知らなかったー!」
X:「『一人だけの軍隊』という小説でさー、ベトナム戦争を風刺している作品なんだよね。」
Y:「あなたってモノ知りなのねー!モノ知りな人って憧れるなぁ!」
このように、Y子は映画ランボーへの興味からX男に対する興味へと徐々にシフトしていくのが分かります。くれぐれもこのタイミングで「僕の知的好奇心は君に向かっている・・・」なんてワケの分からないことを言わないでください。
このように、X男が自分のフィールドで落ち着いてY子と向き合える環境を作り出し、Y子の興味を喚起させつつ、それを満足させるという作業によって、Y子はX男という人を理解し、徐々にそのX男の想いを感じ取っていくこととなります。このプロセスが大切なのです。
もちろん、実際の恋愛はこんなに単純ではありません!
情熱的で・不安定な感情に苛まれ・パワフルな生活を実現できるものですが、人生を狂わせる危険性も持っています!!
・・・ゴホンッ
とはいえ、まずは気持ちを伝えることが大切です。
その手段として文章でも何でも構わないと思いますが、是非とも「ただ気持ちを一方的に発信する」のではなく、「相手が自分の主張(気持ち)を理解できるプロセスをつくりながら発信する」という「配慮」を持ちたいものです。
過去に読んだけど読みっぱなしになってた本。そろそろ真剣に文章力向上に向けて努力しないとなぁと感じていて、あらためてじっくりと読みながらトレーニングしたいと思います。
こちらは、『考える技術・書く技術新版』の入門編です。出版当初たまたま丸善に立ち寄ったら大量に平積みされていたので、つい購入してしまった本です。分量が薄いのでとっつきやすいかも。
書く力が付くということは考える力も付いているということです。せっかく伝えたいものがあるなら、きちんと理解してもらえるようにスキルを磨きたいですね!