2012/05/05 |
「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」と呼ばれるゲームサービスについて、消費者庁が不当景品類及び不当表示防止法(=景表法)に抵触する可能性があると判断したと、報道がされています。
ゲームもつっこんでいくとどうしても射幸性が高まっていくのは仕方がないようにも思うんですが、ゲームの話しに全く疎い身としてはあまり興味のない話しとは思いつつも、尊敬する友人がまさにその業界で中心的に活躍していたりと、ゲームには興味がなくとも業界にはどこか近しくも感じる部分もあるので、ニュースをフォローするという意味も含めて少しまとめてみたいと思います。
1 事案の概要
ガチャは、カプセル入りのおもちゃが出てくる自動販売機をイメージした商法で、1回数百円程度を払うとゲーム内で使うアイテムなどが当たる仕組み。事前にどんなアイテムが購入できるか分からず、くじのように偶然性に左右される。さらに、ガチャで購入できるアイテムのうち一定の組み合わせをそろえると、より希少なアイテム(レアアイテム)を獲得できるのが「コンプガチャ」で、昨年頃からソーシャルゲームで導入され始めた。(YOMIURI ONLINE)
コンプガチャを採用するゲームとしては、モバゲーの「アイドルマスターシンデレラガールズ」やグリーの「探検ドリランド」などが挙げられるそうです(両方とも全然知らない。)。
さて、具体的にどんな法律に違反するのか、という話です。
景表法というものがあるんですが、一般消費者による自主的・合理的な判断を守るために、不当に顧客を誘因する景品類や広告表示などを規制しています。
人は誘惑に弱いのです。そのため、市場を正常に保つために消費者の弱さにつけ込む誘惑的な商売を規制しようということです。
で、この法律と公正取引委員会の告示によって、「絵合せ」という手法の懸賞による景品類の提供は「禁止」されています。
今回問題となったコンプガチャは、特定のカードをそろえる(絵合せ)と希少アイテム(景品類)が提供される、ということでモロに抵触してしまっているわけです。
このゲームのカタチはすでに1年以上放置されていたわけですが、さすがに市場規模が大きくなり、被害(というかのめり込みすぎ)の声が大きくなってきたため、消費者庁も無視できなくなったということがあるんでしょう。
消費者庁が正式に規制に乗り出した場合、コンプガチャは撤退せざるを得ません。
で、この法律と公正取引委員会の告示によって、「絵合せ」という手法の懸賞による景品類の提供は「禁止」されています。
今回問題となったコンプガチャは、特定のカードをそろえる(絵合せ)と希少アイテム(景品類)が提供される、ということでモロに抵触してしまっているわけです。
このゲームのカタチはすでに1年以上放置されていたわけですが、さすがに市場規模が大きくなり、被害(というかのめり込みすぎ)の声が大きくなってきたため、消費者庁も無視できなくなったということがあるんでしょう。
2 違法と判断された場合
消費者庁が正式に規制に乗り出した場合、コンプガチャは撤退せざるを得ません。
コンプガチャがかなりの収益を生んでいたことが考えられますので、モバゲーやグリーとしては結構大きなダメージになるでしょう。 しかも、ソーシャルゲームの基本は「課金」にあるとすれば、今後の事業の展開の仕方に大きな影響を与えるかもしれません。
結局、ゲームを継続的にさせ続けるためには、それなりにエサとなる部分を設置する必要があると思うんですが、そこに課金制を持ち込むとどうしてもギャンブル的な要素が生じてきてしまうと思います。純粋にゲームを売りたいならゲーム自体を「買う」という、ある意味で原始的なカタチに止まらざるを得ないんじゃないかと。
それにしても、こういうゲームにしていく課程で法的なチェックはないんでしょうか。
結局、ゲームを継続的にさせ続けるためには、それなりにエサとなる部分を設置する必要があると思うんですが、そこに課金制を持ち込むとどうしてもギャンブル的な要素が生じてきてしまうと思います。純粋にゲームを売りたいならゲーム自体を「買う」という、ある意味で原始的なカタチに止まらざるを得ないんじゃないかと。
それにしても、こういうゲームにしていく課程で法的なチェックはないんでしょうか。
課金制度のゲームがどうなのかというのは結構前から話題に出てたわけですし、規模が大きくなると取り返しがつかなくなってしまうので、気になるところです。
今回コンプガチャが正式に(って変ですが)違法となった場合、コンプガチャを利用したユーザーの支払いはどうなるのでしょうか。この当たりがユーザーサイドとしては気にしておくべきことだと思います。 つまり、返ってくるのかどうか。
3 これまでの利用料金はどうなるか
今回コンプガチャが正式に(って変ですが)違法となった場合、コンプガチャを利用したユーザーの支払いはどうなるのでしょうか。この当たりがユーザーサイドとしては気にしておくべきことだと思います。 つまり、返ってくるのかどうか。
基本的にコンプガチャ自体が、公序良俗に反するかどうかがポイントになってくるわけです。
ただし、行政が違法と判断したから、即公序良俗違反かというとそういう話ではありません。
市場ルールを守るための法律に反する「違法」と、ある行為を法律上抜本的に覆さないと社会秩序が保たれないような公序良俗を規定する法律に反する「違法」というのは性格が異なります。
消費者金融に対する過払返還請求訴訟のバブルがありましたが、あれは後者の「違法」に基づくものでしたので返還請求が認められていました。
ところが、今回の事案を同様に考えることができるかどうかは、個人的には微妙なところだと思っています。
消費者金融に対する過払返還請求訴訟のバブルがありましたが、あれは後者の「違法」に基づくものでしたので返還請求が認められていました。
ところが、今回の事案を同様に考えることができるかどうかは、個人的には微妙なところだと思っています。
今後訴訟を提起する人も出てくるでしょうが、もともと娯楽についての出費であり、生活上必須のお金を得るために費やしていたものではありません(借入金との大きな違い)。それに、もともとガチャを買うこと自体は問題になっていないわけですから(問題となっていないだけで今後は不明)、コンプガチャが違法になっても、ガチャの購入とコンプガチャの存在を結びつけるのは実際問題として難しいんじゃないかとも思います。
とまぁ、そこまで丁寧に分析していないので今後の動きを注目したいですね。
とまぁ、そこまで丁寧に分析していないので今後の動きを注目したいですね。