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2012年5月5日

大平貴之氏の言葉から考える|大企業と中小企業の目標の違い


自分に見合ったイノベーションのカタチを目指す。

分かっているようで、なかなか理解できていないことです。

インターネット、テレビ、ラジオで日々情報が入ってくるようになりましたが、その情報はどの当たりの領域をカバーしているか。こと経済情報に関して言えば、私たちが接している情報というのは、ほとんどが上場企業や大企業の話し。大きな情報には接することが多いですが、実際に中小企業を経営したりそこで勤務する人にとってはほとんど「外の」情報に過ぎません。



もちろん、経済と言うのは大きなうねりの中で動いているものなので、マクロな経済情報はしっかり押さえておかなければならないのは言うまでもありません。新聞はこのマクロな情報をフォローするために読むものでしょう。

しかし、実際に自分たちのビジネスに置き換えたとき、そのマクロな情報をストレートに自分たちのこととして行動の指針にするのは、実はあまり正しくないように思います。



ワールドビジネスサテライトという番組に、プラネタリウム・クリエイターの大平貴之氏が登場しました。彼は現在経営する有限会社大平技研を立ち上げる前はソニーに勤めていた。そんな彼が語った印象深いコメントを紹介します。


  • 大企業と中小企業が起こすべきイノベーションは違う。
  • 夢には実現可能な夢とそうでない夢がある。プラネタリウムは実現可能な夢。その夢は、小さな目標と達成の繰り返しにより達成されていく。
  • 現在、リスクに対して過敏すぎる社会。もっと寛容でなければ、イノベーションは育たない。


ひとつひとつ見ていきます。


イノベーションの方向性


大平氏曰く、従業員16名という大平技研だからこそプラネタリウム事業がここまで成功したのだという。大平氏の夢や志の高さは、当時のソニーでも何とか事業化できないか話が出たそうですが、彼は「ソニーがやる事業としてはニッチすぎる」と考えたそうです。

ウォークマンの製造から始まったソニーのイノベーションの数々は、大企業となった現代では方向性を変えなければならない。大企業だからできるサービスの安定性や、多様性といったものがこれからは大切なのであって、これまでのようなイノベーティヴな結果を求めるものとは性質が変わってきていると氏は語ります。

先にも触れましたが、私たちが接する情報というのは往々にして経済のメタ的な情報が多い。

これは最近よく考えることなんですが、マーケットとしての日本は既に飽和状態になりつつあり、既存のサービスを展開し日本企業の成績を向上させるためには海外展開は必至と言われています。たしかにその通りなんですが、その流れに乗るべき企業と言うのは、日本全体の何百万の企業のうちごく一部です。大企業と何らかのつながりがある中小企業が多いので、そのような動きを無視できないのが実情ですが、やはり個々の企業レベルで考えたとき、目指すべき方向性は明らかに変わってきていると思うのです。


夢の実現


夢と空想の違いってなかなか見分けづらいように思います。
けど、大平氏は「小さな目標の連続」ということをお話しされてました。

事業計画を立てるときも、同様の考えです。
大平氏のようなサクセスストーリーを目撃すると、キレイなイメージばかりが先走ってしまいがちですが、その行動は完全に事業として実現したいビジョンに向けてのステップアップだったのだろうと思います。


リスクとイノベーション


大平氏は、少年時代に通っていたプラネタリウムの館長さんに、機械を触らせてもらったりしていたそうです。しかし、もしルールに縛られた館長さんだったら、子どもに高価な機械を触らせることはなかったでしょうし、大平氏もあの頃に触らせてもらえなければ今の自分は存在しないと言っていました。

皆さんも同様に感じられているかと思いますが、リスク管理という点について、現代はあまりに失敗に対して寛容でない社会だと思います。受け皿が社会にはほとんど存在しないため、挽回するのが非常に難しいのが実情です。

小さなミスを恐れて大きな躍進の芽を摘んでしまう。そんな状況をたくさん見ます。また、その反動かもしれませんが、大きな目標を語ることに対して冷めた雰囲気があり、他方でやたらキレイな言葉ばかりが蔓延してしきていると個人的に感じています。

少なくとも、自分がミスに臆病になっているんじゃないかとチェックをすることはできるので、イノベーションは起こせないにしても、イノベーションを起こす人たちの手伝いはたくさんしていきたいと思います。




以上、私が残しておきたいなぁと感じた大平氏の言葉を紹介しながら、思ったことを書いてみました。

私たちが事業で目指したい夢とは何か?夢で食べることはできないとはよく言いますが、夢を持って仕事をしていきたいですね。



わたしももっともっと攻めないと!って思える番組でした。

 
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