「特区」という言葉をご存知でしょうか?
特別な区域、という意味なのですが、要は特別な政策が実施される区域という意味です。この特区にはいくつかの種類があります。
- 構造改革特区(区域を限定して規制緩和を実現するもの)
- 総合特区(規制緩和、税制・財政・金融による総合的な支援により、国際競争力の強化や地域の活性化を実現するもの)
- 国家戦略特区(首相のトップダウンで規制緩和をおこない、世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出することを目指すもの)
今回お話を聞いたのは、2013年の初めに特区として定められた「さがみロボット産業特区」についてです。
私の住む神奈川県の湘南地域は、ここ数年の道路網の整備(さがみ縦貫道路の開通など)により、これまで湘南に足を運びづらかった人たち(主に埼玉県や群馬県の地域)の流入を期待して行政主導で数々の施策を打っています。今回のテーマであるさがみロボット産業特区も、そのような側面から考えてみると、ロボットという先端技術ゆえの敷居の高さが、非常に身近な話題へと変わってくるんじゃないでしょうか。
それで、じゃあさがみロボット産業特区って何なの?という疑問が湧いてきますが、これは「生活支援ロボットの実用化」を推し進める区域を意味しています。具体的には介護・医療ロボットや、高齢者等への生活支援ロボット、災害対応ロボットなど。それぞれ詳述しませんが、生活支援ロボットは私たちの生活に密着する部分ですから、関連産業がとても多いんですね。そのため、経済振興の観点からすると、膨大な効果が期待されているのです。
ちなみにロボットの定義は、「センサー」によって得られた情報を「人工知能によって制御されたシステム」を利用して「駆動する」もの、と言えます。この三要件を満たすものですから、例えば駅の自動改札機や人の動きを検知するエアコン、衝突回避システムのついた車なんかもロボットに該当することになります。
私としては、この技術的な知識をフォローすることは目指しませんが、少子高齢化の中で労働人口が激減する将来、現場作業をロボットが担う可能性が十分ありますので、今関わっている特に建設業界の方々がどのようにロボット産業と付き合っていくのか、私としてはどのように支援していくのが適当なのかを考えていきたいところです。
今後、交通網はさらに進化し、移動コストは下がっていくことも予想されます。その中で、「どこに住むか」という選択肢を私たちは多く持つことになります。それはつまり、地域間競争の本格化を意味します。都心で仕事するのに大阪からでも1時間圏内になる時代。今回ご紹介した「特区」制度は、人や企業の呼び込みに欠かせない手段になるでしょう。
これは近々読んでおきたいと思っている本。兼子先生の本なので、内容は期待できるでしょう。情報活用・保護の関係の仕組みを理解し始めたら今後の地方自治を改めて考えてみたいと思います。
【参考】
- http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f430080/(神奈川県)
- http://robot-education.sakura.ne.jp/files/130528/yajima_presentation.pdf(参考資料)
(それでは。)