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2015年10月4日

「社会参画意識の向上」なるものは、ライフスタイルの提案をできて初めて「結果として」実現する

テーマが大きくなりがちな活動をするときは、そのテーマに絶対に関心を持たないような一人を想定して、その人が参加したくなる手法まで落とし込んで企画する必要があります。





昨日、私が所属する(公社)茅ヶ崎青年会議所で、「茅ヶ崎のまちづくり 茅ヶ崎らしい公園を目指して」というテーマでパネルディスカッションが開催されました。本年は、茅ヶ崎の公園整備事業をおこなうことが一つのミッションとなる私たちの団体ですが、その目的は、市民の方々と協働して実践することで、公園の整備(遊具の設置等)という分かりやすいものからまちづくりについて興味を持ってもらおうという点にあります。

先日遊具の設置が完了し、昨日はそのお披露目と今回の事業のテーマを専門の方々をお迎えして考える企画となりました。


1.人を惹き込むには当事者の成功させたい!ワクワクする!という熱量が絶対条件


当然ですが、本人が「とりあえずやっている」「言われたからやっている」というようなスタンスでいれば、「あはは、かわいそうだね^^;」「おつかれさま!」で終わってしまって、サポートを得られることはほとんどありません。サッカー選手のシュートが外れたとき、「とりあえずシュート打ってみた」「監督が打てって言ったから」なんてことが伝わってきたら、観客は興ざめですよね(笑)
一生懸命ゴールを取りに行こうと夢中になってプレーするから、観客は「がんばれー!」って応援して、盛り上げてくれるわけです。


2.手法は、面白くなくてはならない


人が「参加したい」と思うきっかけは、「楽しそう」だったり「かっこいい」という素朴な感情を抜きに語ることはできません。私たちが無数に存在する食事のメニューからどれか一つ選ぶとき、その判断は「これを選ぶのが社会のためになる」という公益的な理由よりも(そういう人も少なからずいますが)、「おいしそうだから」「流行ってるから」という、欲求だったり空気に従っているわけです。

ところが、まちづくりになると途端に「行政だけでなく市民もまちづくりに参加すべきだ!」という理想論を振りかざして、市民がまちづくりに参加すべきである!というテーマの講演会だったりフォーラムのようなものをド・ストレートに開催してしまいます。


結果として、そこに訪れる市民は既にまちづくりに参加している方々が圧倒的多数となるのです。

そうではなくて、「行政だけでなく市民もまちづくりに参加すべきだ!」というテーマで活動するならば、参加してほしい課題や領域を特定するところからはじまり、それができた後に市民に参加してもらえる「内容」と「要因」を用意しなければなりません。



しかも興味のない人にアプローチをかけるところからスタートするため、既に興味が集まっているものに抱き合わせる手法(DIYだったり、ゲームだったり、ファッションだったり・・・)が必要になります。

おそらく、まちづくりの難しさが語られる一番の要因は、この「課題特定」が非常に下手で、しかも「遊び」の要素が欠けているからです。何となくでやってしまうと、100%うまくいきません。



3.大切な人のためになり、それが気持ちの良い取り組みとなって、社会参画意識というものが結果的に芽生える


今回のパネルディスカッションの最後に、「まちづくりとは、一言でどういうことでしょう?」という質問を投げさせていただきました。パネラー3名とも表現は異なるものの、


自分の子供や家族という具体的な誰かのため
自分が「これなら真剣に取り組みたい」と思えることを
充実感を感じられる手法で継続すること


という回答でした。

たぶん、市民の社会参画意識を高めるという成果を残すためには、私たち一般市民の生活の中で楽しくやっていることが結果的にまちのためにつながっていくというライフスタイルの提案をしていく必要があるのだと思います。

appleが市民権を得たのは、それを使うことが「かっこいい」「楽しい」「素敵」という素朴な未来を描けたからです。市民参加を増やすためには、それをすることが「かっこいい」「楽しい」「素敵」という素朴な生活を描ければ良いのです。

頭の使いどころが整理された、そんなパネラーの皆さまのお話しでした。






 
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