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2012年2月11日

行政書士事務所におけるAIDMAの法則を考える




行政書士は、専門的知識の鍛錬は当然のことですが、残念ながらそれだけで食べていけるほど生ぬるい世界ではありません。「名刺を何枚配る」とか「SEO対策を講じる」とか「HPは専門的な内容でいくつも作れ」など、「集客」を目的とした様々な手法が語られますが、ただやみくもにやれば良いという話ではありません。

今回は、マーケティングのフレームワークであるAIDMAの法則を、行政書士がどのように活用すべきか、という点を考えたいと思います。フレームワークを利用することは、自分で考えるよりは遥かに効率的で有効です。皆さんも是非ご一緒に考えてみてください!

1 AIDMAの法則って?
突然AIDMAの法則なんて言われても「ほえ?」って思う人もいますよね。私もそうでした(笑)
もともと法律にベッタリ学生生活を送ってしまっていたので、マーケティングっていう用語を聞いても、何かこう嫌らしい感じがしてましたw

でも、このフレームワークを知って、「おお、これは大切な考え方だ!」と思ったんですよね。そのきっかけになったのが、下記のブログエントリーです。

何でやらないの?繁盛店がやっている 本当に売れる「AIDMAの法則」

こちらを読んでもらえると、納得頂けるんじゃないでしょうか。

要するに、人の消費行動は、対象を認知し、消費への内心的効果意思の形成、「買います」という表示行為に大きく分けることができ、これらをさらに細かくすると(1)注意(Attention)(2)興味(Interest)(3)欲求(Desire)(4)記憶(Memory)(5)行動(Action)というプロセスに分けられます。このプロセスの各段階に応じて、マーケティング手法を検討すればより効果的なアプローチが可能になる、というわけです。

今回は、このフレームワークを行政書士業に当てはめて検討してみたいと思いました。


2 行政書士業におけるAIDMAの法則の適用
行政書士の場合、そもそもどんな仕事を行うのかが一般の人に知られていないという弱みがありますが、実は他士業も基本的に同じです。一般的にな感覚からすれば「何となく偉そう」という程度の漠然としたイメージしか持たれていないでしょう。そのため、本来はまずそこのアプローチを検討しなければなりませんが、それは個々の活動では難しいでしょう。政治や業界団体を通じた大きなパワーで動く必要がありますので、本エントリーではこの点を無視します。

そこで、まずは下記の表をご覧ください。
上から下に向かって心理のプロセスが流れます。それに応じて「当事務所が取るべき態度」を書いています。それぞれについて具体的に見てみましょう。

(1)Attention
まずは存在を認知してもらえなければ、仕事が発生することはあり得ません。
この段階では、まず「当事務所の存在を知ってもらうこと」が大切になります。そのとき重要なことは、どんな人に知ってもらうのかを具体的にイメージすること。建設業者に知られたいのか、税理士に知られたいのか、同業者に知られたいのか、ということです。一般の人であれば、お年寄りに知られたいのか、主婦に知られたいのか、お金持ちに知られたいのか、一般家庭に知られたいのかなど、対象を具体的にして、初めて「当事務所の存在を知ってもらうこと」の方策を検討できるわけです。
私もそうですが、この点が曖昧だと次に進めませんし戦略を練ることができません。行きあたりばったりになっちゃいます。

(2)Interest
存在を認知してもらったら、次は「どんな仕事をしている事務所なのか」を知ってもらう必要があります。
「あー、あそこに事務所あるよねー」とか、「北川さん、行政書士なんだってねー」では仕事になりません。「北川さんは起業とか経営に関する法律の専門家なんですってー」となって初めて、ニーズが生じたときにアクセスされる行政書士になれるわけです。
(1)でターゲット層を絞ったら、(2)で「あなた(御社)の力になれますよー」というアプローチをするわけです。

(3)Desire
(2)の段階ではまだ漠然としているアプローチを、今度は訴えかけるような具体的なアプローチにシフトする必要があります。
つまり、「どんな仕事をしている事務所なのか」を知ってもらえても、それはまだ自分との関係は希薄で他人ごとに過ぎないことが一般的です。そこでさらにもう一歩踏み込んで「そろそろ許認可の更新時期ですよね。代行しますよ!」とか、「起業したいんですか?当事務所がサポートしますよ!」とアプローチすることで、「お客様のニーズを喚起する」必要があるわけです。
ここでは、対象もかなり限定されてきており、具体的な接点を持つ必要が出てくるように思います。
(インターネットはこの辺りから難しくなってくるように思います)

(4)Memory
お客様もニーズを認識し、当事務所もそのニーズにこたえられるという関係が出来あがったとしても、同じような事務所なんていくらでもありますし、違いなんて一般の人には見分けがつきません。そこで、「この事務所に依頼しよう!と思ってもらえる最期の一手」を打つ必要があります。
ここで考えられるのは、①安い料金体系、②信用できそうな人物・事務所像、③有名であること、④良いうわさが多いこと、などが一般的なところでしょうか。⑤知り合いが利用したこと、というのも非常に強い一手になるでしょう。

(5)Action
最期の一手まで辿り着いたのに、いざ依頼の電話をしてみたら連絡がつかなかった・・・なんてことになれば、せっかくの苦労が水の泡。もともとのつながりでもない限り、そこで関係性は終わってしまいます。別の事務所にアクセスしてしまうかもしれません。そのため、「行動に出たお客様をキャッチする」態勢を整えておく必要があります。
と書いてみたものの、私のように一人で事務所をやっていますと、正直なかなかこの点も辛いところです、、
秘書代行サービスなど最近は充実していますので、当事務所も今後利用を検討しなければならない課題の一つですね。


このように、今自分が具体的にどの段階のアプローチをしようとしているのかを明確に意識することで、そのアプローチの成功と失敗も糧にできるようになります。名刺一つをお渡しするときでも、この各段階を意識することで、一言一言に目的意識がともない、より効果的な1~2分間にできるのではないでしょうか。


3 紹介の強み
さて、行政書士業を始めて一番身にしみたのは、紹介して頂けることの強みです。紹介を上記のAIDMAに沿って考えてみるといかがでしょうか?
そう、一気に(5)Actionまで辿り着いてしまうことができるわけです。だから、人脈を作ることというのは、経済的に広告をバンバン打てない事業者には最も大切な事項ということになるのだと思います。


以上、ざっくりとではありますが、私なりに整理してみました。
当事務所はまだまだ(1)の段階でつまづいています。
専門家云々するのも大切ですが、まずは経営者としての自覚がないとダメですよ、と自分に言い聞かせる日々です。

真面目に計画を立て、真面目に実行していけばそうそう食べていけないなんてことはないだろうと思います。同じような悩みを持っている皆さま、是非とも効果的に頑張りましょうね!



(それでは。)


横浜中華街にて




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